【元自治体職員直伝】官公庁入札で勝つための戦略:予定価格を推測する方法
はじめに
官公庁入札は、勝てば満額、負ければ0円という厳しい世界です。 しかし、必要な情報と知識を元に適切な戦略を立てて挑めば、誰にでも勝てるチャンスがあります。
このブログでは、元自治体職員が官公庁入札で勝つための秘訣を公開します。 第2回目は、「予定価格の推測方法」についてです。
予定価格の重要性
官公庁入札で勝つためには、入札金額(見積)は非常に重要です。
価格のみの競争入札ではもちろん最重要ですし、総合評価落札方式でも、入札金額は重要な要素です。
この入札金額を決めるためには、もちろん適切な見積りが不可欠ですが、初めての案件では難しいことがあります。弊社に寄せられるお悩みの中でも、入札金額の決め方が分からないというのは大変多いです。実際の入札でも、入札金額が応札者間で大きく異なることは珍しくありません。
そこで入札金額を決めるために重要なヒント、基準となるのが、予定価格です。
予定価格の推測方法
予定価格は、入札で勝利するために最も重要な要素の一つです。 予定価格を正確に推測できれば、適切な見積もりを作成することができます。
予定価格の推測方法は、大きく分けて2つあります。
- 実績から推測する方法
- 予算・計画から推測する方法
実績から推測する方法
実績から推測する方法は、以下の情報源を活用します。
落札金額
過去の類似案件の落札金額を調べることで、予定価格の目安を知ることができます。 入札情報ポータルサイトや対象官公庁のウェブサイトで公表されています。ただし、掲載されている期間が短いことが多く、いざ調べようと思うと無くなっていることもあります。
こちらでは一覧でダウンロードすることができます。
決算書
官公庁は毎年度、決算書を公開しています。 決算書には、過去の案件の支出額なども内訳として記載されていることがありますので、予定価格の推測に役立ちます。ただし、内訳が記載されていないこともありますし、同じ内訳に複数の入札案件が含まれていることもありますので、注意が必要です。複数の情報から、推測する必要があります。
これら以外にも、過去の実績を知る方法はあります。弊社のサポートサービスや研修等ではさらに詳しくお伝えしておりますので、ご活用ください。
予算・計画から推測する方法
予算・計画から推測する方法は、以下の情報源を活用します。
予算書
官公庁は毎年度、予算書を公開しています。 予算書には、各事業にかける予算額などが記載されているので、予定価格の推測に役立ちます。ただし、こちらも決算書と動揺、内訳が記載されていないこともありますし、同じ内訳に複数の入札案件が含まれていることもありますので、注意が必要です。
主要な施策集
官公庁は、主要な施策をまとめた資料を公開していることがあります。 このような資料には、事業内容や予算規模などが記載されているので、予定価格の推測に役立ちます。
また、年度をまたぐような大型プロジェクトは債務負担行為として別の項目に書かれていますので、見つけるのは比較的簡単です。
探せば色々と見つかります。弊社の研修やサポートサービスでは、そのあたりも詳しくお話しておりますので、ぜひご利用ください。
両者の比較・分析
過去の実績と未来の予算を見比べて、自社が応札しようとしている案件にどれだけの予算が用意されているか、できるだけ正確に推測します。
「実績と予算に乖離はないか? 減っている、増えているなら、その理由は? なにか引っかかることは無いか?」
できるだけ多くの情報を集めて、分析することが大切です。
もし何の情報も見つからない場合は、別の案件に狙いを変えるのも一つの方法です。
勝ち目の少ない案件に挑戦するのは、時間と労力をいたずらに浪費するだけになってしまう可能性があります。
まとめ
予定価格はある程度推測できます。
予定価格を推測して勝利するために必ずやるべきことは、
1.過去の実績を落札価格・決算書などから調べること
2.予算額を予算書・主要な施策集などから調べること
です。
そして、
3.何も情報が手に入らない場合は、別の案件を探しましょう。
官公庁入札は、誰にでも勝てるチャンスがあります。このブログで紹介するノウハウを参考に、ぜひ貴社も官公庁入札にチャレンジしてみてください。
その他、役立つ情報
このブログ記事が、官公庁入札で成功を目指す皆様にとって少しでも役立つ情報となれば幸いです。
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投稿者プロフィール
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神奈川県内の地方自治体で
・総務(文書管理、議会対応)
・システム運用(教育、福祉、医療)
・会計(出納、資金管理、下水道企業会計)
・監査(社会福祉法人)
・小規模企業支援、労働行政、起業支援
に携わった後、2020年に業務改善系ITコンサルタントとして起業(神奈川県小規模企業支援強化事業コーディネーター)
現在、株式会社TheFlow代表取締役