士業・コンサルタント、コーチ~先生業のための「予約サービス・予約フォーム」の選び方
先生業にオンライン予約は必要か?
既にお付き合いのあるお客様や顧問先、紹介だけでやっていくのなら、必要はないかもしれません。
ただ、これからオンライン予約が当たり前になり、それに慣れているお客様が大勢を占める中で新規顧客の開拓をしていくとなれば、必須だと言えます。
とはいえ、大規模な事務所ならばともかく、1人または2、3人までの小規模な事務所では、予約システムを入れるのは過剰投資となってしまうこともあります。月の予約数が20件くらいまでなら、月の固定費を払って多機能な予約システムを入れる必要はないかもしれません。
そうすると、Googleフォームや、Wordpressを利用しているならプラグインを使って、予約フォームを作り、メールで連絡をするという方法もあります。GoogleフォームならGoogleカレンダーとの連携もできますので、使いこなすことができれば便利です。
WordPressであれば、予約用プラグインを入れなくても、フォームだけでも簡単な予約フォームを作ることができます。
当社のパターンオーダーでご提供している予約フォームも、なるべくプラグインを減らすため、フォームで作成しています。
ご参考:初回相談ご予約フォームサンプル
無料で使える予約サービス
予約サービスはリマインドメールの送信や顧客によるキャンセルなど、Googleフォームなどではできない便利な機能があります。無料で利用できる範囲内でも十分利用できるサービスもあります。
士業・コンサルタントの方が使うのに便利な予約サービスの比較表を下に置いておきます。
SelectType | STORES予約 | RESERVA | Airリザーブ | |
無料プラン | 有 | 有 | 有 | 有 |
広告表示なしの 最低利用料(月額税込) | 1,650円 | 0円 | 5,500円 | 0円 |
士業・コンサル向け テンプレート | 有 | 有 | 有 | 無 |
無料での 月間予約受付件数 | 無制限 | 100件 | 100件 | 無制限 |
無料での予約期間 | 7日後まで | 不明 | 無制限 | 不明 |
無料での予約メニュー数 | 10個 | 2ページ | 無制限 | 不明 |
決済手数料率 | 4.6~5.6% | 4.9% + 99円 | 4.90% | 別システム |
一長一短はありますが、無料の範囲内でも条件があえば問題なく利用できそうなサービスもありますね。
オンライン相談にはオンライン決済が必須
オンライン予約ができるだけでなく、オンライン相談ができることも、これからの士業・コンサルタントには必要なことでしょう。オンライン相談ができるかどうかで選ぶ顧客もかなり増えています。
そこで必要になるのが「オンライン決済」です。
対面の相談とは異なり、その場で相談料をいただくことができませんので、事前にお支払いいただく仕組みが必要になります。
比較表の「決済手数料」がここに関係してきます。
この決済手数料は、システムの利用料を支払う際の手数料ではなく、顧客から相談料などをいただく際にかかる決済手数料です。これにはクレジットカードの手数料も含まれています。数パーセントだからといっても、積もり積もればそれなりの金額にはなってきますので、無視できない費用です。
例えば、予約サービスを使わずに、自分でstripeのアカウントを作ってオンライン決済(クレジットカードの他、Apple Pay、Amazon Payなども可能)をすると、決済手数料は3.6%です。
1回5,000円の相談を30回受けたとすると、STORES予約を使った場合とstripeの場合との差額は次のとおりです。
STORES予約 | stripe | |
決済手数料率 | 4.9% + 99円 | 3.60% |
決済手数料 | 335円 | 180円 |
1回分の差額 | 155円 |
30回分の差額 | 4,650円 |
30回×12ヶ月分の差額 | 55,800円 |
これを高いとみるか安いとみるかは、難しいところです。
予約サービスにしかない便利な仕組み、それによって削減される人件費も計算しないと偏った比較になってしまいます。
また、源泉所得税の有無で顧客によって請求金額が変わることに対応出来るかどうかも考えておく必要があります。予約システムによっては設定が難しい事もありますので、必ず事前に試してみてください。
無料のサービスを使うデメリット
無料のサービスを使うことによるデメリットは、機能制限以外にもあります。
代表的なものが、広告が表示されることによる信頼感の低下です。
士業・コンサルタントは信頼感が重要な職業ですので、これは避けたいところです。
他には、無料の場合は、有料のプランよりも決済手数料率が高く設定されている事があるので、決済金額によっては有料プランを契約するより高くついてしまうことがあります。
例えば、SelectTypeの無料プランで1回5,000円の決済を50回処理した場合、決済手数料は14,000円になります。月額1,650円の有料プランで同じ処理をした場合の金額12,250円との差額は1,750円になり、有料プランを契約した方が100円お得です。 ご自身の事務所の平均予約回数と金額を計算した上で、最適な予約システムをお選びください。
投稿者プロフィール
-
神奈川県内の地方自治体で
・総務(文書管理、議会対応)
・システム運用(教育、福祉、医療)
・会計(出納、資金管理、下水道企業会計)
・監査(社会福祉法人)
・小規模企業支援、労働行政、起業支援
に携わった後、2020年に業務改善系ITコンサルタントとして起業(神奈川県小規模企業支援強化事業コーディネーター)
現在、株式会社TheFlow代表取締役