【元自治体職員直伝】官公庁入札で勝つための戦略:入札公告が出てからでは手遅れ!?勝率を上げる案件選定と事前準備の秘訣
「入札公告を見てから応札する案件を決めているけど、いつも準備がギリギリ…」
「提案書のボリュームが大きい大型案件になると、なかなか落札できない…」
入札に参加されている企業の担当者様の中には、このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
特に大型案件の場合、入札公告が出てから「よし、この案件に応札しよう!」と動き出すのでは、残念ながら間に合わないケースがほとんどです。
今回は、なぜ公告後のスタートでは間に合わないのか、そして入札で勝率を上げるための案件選定と事前準備の重要性について解説します。
なぜ公告後の応札準備では間に合わないのか?
「提案書の準備が期限に間に合わない」
「いつも最終提出日間近はバタバタしてしまう」
このようなご相談は、実は非常に多く寄せられます。その理由は、入札のスケジュールが想像以上にタイトだからです。
例えば大型案件では、公告から入札までの期間として、ルール上は50日以上設けられています。しかし、土日祝日を除き、最終提出日の予備日などを考慮すると、実質的に応札準備に動けるのは35日程度しかない、というケースも珍しくないのです。

この限られた期間の中で、企業は以下のようなタスクをこなさなければなりません。
- 入札関連資料の読み込み
- 提案メンバーのアサイン
- 提案スケジュールの策定・共有
- 提案書の作成
- 提出書類の精査・提出
- プレゼンテーションの準備(必要な場合)
これだけのタスクを、通常業務と並行しながら約35日間で完了させるのは、容易ではありません。例えば、5~6人のチームで100ページに及ぶ提案書を作成する場合、相当な稼働が必要となるでしょう。
さらに見落としがちなのが、「この案件に応札するかどうかを決める時間」です。
通常、担当者の一存で応札を即決できるわけではありません。判断に必要な情報を収集・整理し、決裁を取るプロセスが必要なことが多いでしょう。
ただし、事前に準備をしていて、すでに応札すると決めていた企業の場合はどうでしょうか。特に大型案件の場合は、意見招請のプロセスが設けられていることも多く、入札に慣れた企業はこの段階で応札の意思決定を行っています。
公告が出てから「さて、この案件、応札を検討しようか」とスタートするのでは、すでに出遅れていると言っても過言ではないのです。
応札判断に必要な情報と、判断にかかる「時間」
そもそも、「応札するかどうか」を判断するには、どのような情報が必要でしょうか? 単純に「儲かりそうだから」といった感覚だけで決めることはできません。
最低限、以下のような項目について情報を収集し、検討する必要があります。
- 入札資格: そもそも参加資格を満たしているか? (必須)
- スケジュール: プロジェクトの期間に対応可能か?
- 体制: 必要なスキルを持つメンバーを集められるか?
- 技術レベル: 自社の技術力で対応できる内容か?
- 利益率: どの程度の利益が見込めそうか?
- 難易度: 競合はどこか?落札の可能性は?
- 過去実績: 関連する過去の契約状況(落札者、落札金額など)は?
- 案件特性: 新規案件か、既存事業の継続か?
- 事前調査: 事前の調査や要件定義は行われたか?誰が担当したか?
- 関連法規等: 関連する法律や規制、関係者は?
これらの情報を集めて整理し、社内で「やる・やらない」の意思決定(稟議・決裁)を得るプロセスにも、相応の時間がかかります。
公告が出てから慌てて情報収集を始め、急いで判断しようとすると、不十分な情報で判断を誤るリスクも高まります。
仮に、情報収集から社内決裁までに合計で5日間かかったとしましょう。 準備期間が実質35日だとすると、そのうちの貴重な5日間、実に準備期間の7分の1が、「応札判断」だけで失われてしまうのです。
残された期間は30日。この期間で、ライバル企業に打ち勝つ質の高い提案を作成できるでしょうか?しかも、ライバル企業は広告前に応札判断・提案骨子の作成までを済ませてしまっていたら?勝てるでしょうか?

勝つための秘訣は「事前準備」
ここで重要になるのが、「事前準備」です。
競争力のあるライバル企業の中には、入札公告が出るずっと前から、関連情報の収集や営業活動を行い、意見招請(※もしあれば)の段階から提案の骨子を練り始めているところもあります。
公告が出た時点で、すでにある程度の準備が整っており、「あとは細部を詰めるだけ」という企業と、「よし、今から情報収集して、メンバーを集めて、提案書を作るぞ!」という企業。どちらが有利で、どちらが高品質な提案を作成できる可能性が高いかは、火を見るより明らかでしょう。
事前準備は、単に時間に余裕を持つためだけではありません。提案内容そのものの質を高め、結果的に勝率を引き上げるために、重要なプロセスなのです。
事前準備の重要性に関する動画
今回の内容は、動画でも配信しております。

まとめ:戦略的な案件選定と準備で勝率アップを
今回は、「入札公告があってからでは間に合わない!?」というテーマで、特に大型案件における案件選定と事前準備の重要性についてお話ししました。
大型案件の入札で勝つためには、
- 公告前の情報収集と戦略的な案件選定
- それに基づいた周到な準備
この2点が極めて重要です。
「いつも準備が大変だ…」
「なかなか落札に繋がらない…」
もし、このようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度、入札案件への関わり方、特に公告前の動き方を見直してみてはいかがでしょうか。
落札できなければ、どれだけ労力をかけて提案書を作成しても、売上には繋がりません。「勝つこと」が何よりも重要です。 具体的な準備の進め方が分からない、もっと勝率を上げるためのアドバイスが欲しい、という方は、ぜひお気軽にご相談ください。勝つための入札戦略を、一緒に考えていきましょう。
弊社では、官公庁入札における事前の営業活動から落札後の契約支援まで、丸ごと対応したサービスをご提供しております。
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投稿者プロフィール

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神奈川県内の地方自治体で
・総務(文書管理、議会対応)
・システム運用(教育、福祉、医療)
・会計(出納、資金管理、下水道企業会計)
・監査(社会福祉法人)
・小規模企業支援、労働行政、起業支援
に携わった後、2020年に業務改善系ITコンサルタントとして起業(神奈川県小規模企業支援強化事業コーディネーター)
現在、株式会社TheFlow代表取締役