入札に参加しようとした際、「この仕様だと自社は参加できない……」「特定の企業に有利な内容になっている気がする」と感じたことはありませんか?

今回は、多くの方から寄せられる「自社に不利な仕様を変更してもらうことは可能なのか?」という疑問について、行政側の視点から解説します。

仕様変更は「できる場合」と「できない場合」がある

結論から申し上げますと、当たり前ではありますが、仕様変更がされるケースとされないケースの両方が存在します。

1. 仕様変更が期待できるケース

行政側が「あえてその仕様にしていたわけではない」場合は、変更してもらえるチャンスがあります。

  • 役所側が深く考えていなかった場合
    「今までこうだったから」「特に変える必要を感じていなかった」という理由で、従来の仕様を踏襲しているだけのケースです。
    その仕様が誰かの不利になると気づいていないことも多いため、「代替案でも同じ効果が得られる」と論理的に持ちかければ、すんなり変更してくれることがあります。
  • 役所側が「思い込まされていた」場合
    例えば、「この技術は特定の特許がないと実現できない」と業者から説明され、それを鵜呑みにして随契(随意契約)にしているケースなどです。
    他社での実績や現物を持って「この仕様でなくても実現可能ですよ」と証明できれば、役所側も仕様を変えて入札にせざるを得なくなります。

2. 仕様変更が難しいケース

一方で、行政側に明確な理由や「譲れない事情」がある場合は、どれだけ訴えても変更してもらうことは困難です。

  • 物理的・人員的にそれしか選択肢がない場合
    例えば、管理する拠点が膨大で担当者が1人しかいないために、「センター一括管理ができるシステム」という仕様は必須条件になる場合などです。
    こういった場合に、「使い勝手はいいが個別管理が必要なシステム」を提案しても、運用側のリソース(人・金・時間)が足りなければ受け入れられません。
  • 過去のトラブルなどがある場合
    技術的には可能であっても、過去に同様の仕様で大きなトラブルや失敗があった場合、行政側はそれを強く避ける傾向があります。
    たとえ貴社とは無関係のことであっても、組織としての「防衛本能」で仕様が固まっているこのような場合は、仕様変更を持ち掛けても受け入れられない場合が多いです。

注意点

仕様が変えられるかどうかは、実際に働きかけてみるまで分かりません。
「自社が不利だから」というだけでなく、「この仕様に変更しても同様の効果が得られ、公平な競争が確保できる」という証拠を添えて、意見招請などに積極的に参加して提案してみることが大切です。

ただし、無理な「ごり押し」は厳禁です。
行政側には行政側の理由があります。一方的な要望を押し通そうとすると、関係性を損ねてしまう可能性もあります。相手の事情を汲み取りつつ、建設的な提案を心がけましょう。
不利な仕様に直面しても諦めず、まずは「提案」という形で一歩踏み出してみてください。

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投稿者プロフィール

若林凜
若林凜
神奈川県内の地方自治体で
・総務(文書管理、議会対応)
・システム運用(教育、福祉、医療)
・会計(出納、資金管理、下水道企業会計)
・監査(社会福祉法人)
・小規模企業支援、労働行政、起業支援
に携わった後、2020年に業務改善系ITコンサルタントとして起業(神奈川県小規模企業支援強化事業コーディネーター)
現在、株式会社TheFlow代表取締役

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